こんにちは、さっちです。
今回は、X(旧Twitter)で話題になっている漫画
『みいちゃんと山田さん』を読んだ感想を書いていきます。
この作品は、知的障害を持っているであろう「みいちゃん」を、
彼女を見守る立場にある山田さん(仮名)の視点から描いた漫画です。
物語の舞台は、2010年代の新宿・歌舞伎町のキャバクラ。
24時間テレビや公共の場ではなかなか語られない、
「生の障害者の現実」が描かれています。
テーマは重いですが、絵柄や読み口は比較的ライトで、
ハードな内容でも読み進めやすい作品です。
今回は、2巻まで読んだ上での感想をまとめます。
障害を持って生きる人が抱える苦悩
この漫画では、障害を持って生きる人の苦悩がとても丁寧に描かれています。
みいちゃん自身は自分の障害を自覚していません。
しかし、彼女を見ている山田さんが、その「しんどさ」に気づいてしまう。
そうした構図が何度も描かれます。
ここでは、特に印象に残った場面について感想を書きます。
覚えたいのに、どうしても覚えられないつらさ
みいちゃんの学力レベルは小学生以下です。
最初は漢字を教えようとしてくれた人もいましたが
・漢字を覚えられない
・宿題を忘れる
・買ってもらったテキストを無くす
を繰り返し、教えようとした人も去っていきます。
こうしたことを繰り返し、教えようとした人たちは次第に離れていきます。
私はみいちゃんを見て、
「あ、これは本当に覚えられないタイプの人だ」と感じました。
その理由が、彼女のセリフです。
「ほんとヤダ
ほんとヤダ
ほんとヤダ」
この言葉には、
努力してもどうにもならなかった過去の積み重ねが詰まっています。
みいちゃんは、覚えられない自分自身にすら怒っているのです。
この描写は、私の心を強くえぐりました。
私自身も、「人の名前や顔を覚えるのが極端に苦手」という特性があります。
それを「できて当たり前」と言われることは、
「あなたはできない人間だ」と言われているのと同じで、とてもつらいものです。
みいちゃんが忘れ物をしたり、字が書けないのは脳の特性です。
それを人格の問題として否定されれば、
人として深く傷つくのは当然だと思います。
「当たり前」がわからないという苦しさ
みいちゃんは、「やってはいけないこと」という暗黙のルールを理解できません。
暗黙のルールを理解するには、
• 人の言葉の裏を読む力
• 社会的な序列を把握する力
• 行動の結果を予測する力
が必要です。
みいちゃんには、その力がありません。
その結果、
• キャバクラで働く他の女の子の写真をSNSに載せてしまう
• 料金を支払う前に店の食べ物を食べてしまう
といった失敗をしてしまいます。
それにより社会的信用を失い、
お店の仲間から非難され、いじめの対象になっていきます。
みいちゃん自身は「なぜ責められているのか」は理解できません。
ただ、「責められている」という事実だけはわかる。
この状態は、
目が見えないまま、四方八方から銃弾を撃たれる感覚に近いと思います。
世の中には、
• 社会のルールがわからない
• 自分だけが理解できない
と悩み続ける人がいます。
やがて自己嫌悪に陥り、
最終的には自己否定へとつながってしまいます。
少しずつ周囲から距離を置かれてしまう現実
みいちゃんは「理解できない子」として距離を置かれ、
中には、彼女をいじめて「楽しい」と言う人もいました。
さらには、
「みいちゃんがいるから、あの子よりマシだと思えて楽になる」
という言葉まで向けられます。
• 仕事を覚えられない
• 漢字が読めない
• 空気が読めない
これらはすべて、脳の仕組みによるものです。
みいちゃんが望んでそうしているわけではありません。
それでも、社会からは少しずつ切り離されていきます。
では、実際にどうしたらいいのか
ここからは、
当事者や周囲の人が、現実的にどう向き合えばいいのかを考えます。
当事者としてできること・できないこと
当事者にできることは、
自分の得意・不得意、できること・できないことを正確に把握することです。
「こうあるべき姿」は、いったん横に置いてください。
できないことも、正直に書き出してみてください。
実はその中に、
裏返せば「できること」が隠れている場合があります。
できないことに対して、
「自分はダメだ」と責めないでください。
それができて初めて、
「どの福祉や支援につながるべきか」が見えてきます。
可能であれば、
自分の特徴をまとめた「取り扱い説明書」を作ってみてください。
それは、通院や福祉につながる際に、非常に重要な情報になります。
周りの人にできる関わり方とは
周囲の人は、無理に理解しようとしなくていいと思います。
理解できないものを無理に理解しようとすると、
それは大きなストレスとなり、やがて嫌悪感に変わります。
ただし、次の2つだけは守ってほしいです。
• 人権を尊重すること
• 嫌がることを言わない・しないこと
そして、相手の話を最初から否定しないこと。
余裕があるときに、
• 教える
• 話を聞く
それだけで十分です。
知っておきたい支援やサポートの選択肢
現在は、障害への理解も進み、さまざまな支援があります。
発達障害については、
厚生労働省の「発達障害情報・支援センター」があります。
※公式サイトは厚生労働省で検索すると確認できます。
一方で、「知的障害グレーゾーン」については、
明確な制度や施設はまだ少ないのが現状です。
この場合は、
信頼できる心療内科や精神科で相談し、
継続的なサポートにつなげていくことが現実的だと思います。
まとめ|「理解しようとする姿勢」だけでも救われる人がいる
世の中には、
「自分には理解できない人」と判断した瞬間、
その人を人間扱いしなくなる人がいます。
けれど、
「こういう人もいるんだ」と認めるだけで、
救われる人は確実にいます。
それは、自分が当事者であるかどうかに関係ありません。
他者に優しくなることは、
結果的に自分自身を守ることにもつながります。
私は『みいちゃんと山田さん』が広く読まれ、
障害について考えるきっかけになることが、
社会にとっての小さな光になると信じています。



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